介護士の退職金の平均相場は?退職金の計算方法や退職金を増やすためのポイントについて解説!
介護士として働いている方の中には、退職金がどのくらいもらえるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
退職金は保有資格や勤続年数、加入している退職金制度によって支給額が大きく異なります。
本記事では、介護士の退職金の相場や制度の種類、退職金を増やすためのポイントまで詳しく解説します。
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介護職の退職金の相場をシュミレーション比較
介護職の退職金は、保有している資格・退職に至った理由・加入している退職金制度の3つの条件によって支給額が大きく変動します。
ここからは具体的な相場を、それぞれの観点でシミュレーションしながら比較していきましょう。
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保有資格による違い(無資格・介護福祉士)
介護福祉士と無資格の介護士では、退職金の支給額に明確な差が生まれる傾向にあります。
支給額は加入している退職金制度や事業所の規模によっても異なるため、相場として公開されている金額はあくまでも目安として捉えましょう。
2024年時点の平均給与は介護福祉士では350,050円(※1)、資格を持っていない介護職員では290,620円(※2)です。
どちらも勤続10年である場合の退職金を簡単に計算すると、介護福祉士は約105万円、無資格の介護職員は約87万円になります。
こちらは「モデル就業規則」による支給率と基本給を掛け合わせる計算方法を用いいりましたが、実際は資格手当や処遇改善加算などによって大幅に変動します。
(※1~3 2026年6月時点 厚生労働省 令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果)
(※2026年6月時点 厚生労働省 モデル就業規則)
社会福祉法人や大手介護事業所での勤務であれば、平均を上回る水準を見込めるケースもあります。
状況によって変動しますが、介護福祉士の資格取得は基本給アップにつながりやすいため、退職金の算定基礎を引き上げる大きな要素となります。
退職理由による違い(自己都合・会社都合)
退職金の支給額は、退職理由が「自己都合」か「会社都合」かによっても変動します。
一般的に、会社都合の退職には自己都合よりも手厚い金額が設定される傾向があります。
東京都産業労働局の令和6年度モデル退職金データでは、勤続10年時点の自己都合退職の支給額は112.1万円です。
長期勤続者の場合、自己都合と会社都合の差額はさらに拡大しやすい傾向にあります。
同じ条件で会社都合退職の場合、支給額は149.8万円まで増額されます。
このように勤続年数が伸びるほど、両者の差額も拡大する仕組みでしょう。
(※2026年6月時点 東京都産業労働局 中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版))
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加入制度による違い(中小企業退職金共済・社会福祉施設職員等退職手当共済)
加入している退職金制度の種類によっても、退職金額には明確な差が生まれます。
代表的な共済制度として、中小企業退職金共済(中退共)と社会福祉施設職員等退職手当共済の2つが介護業界で広く活用されています。
中退共の基本退職金シミュレーションでは、勤続10年・掛金月額1万4,000円の条件で支給額は177万1840円(※1)の見込みです。
掛金は全額事業主負担となり、職員自身の金銭的負担は発生しません。
社会福祉施設職員等退職手当共済では、勤続10年・基本給22万円の条件で114万8,400円(※2)が支給されるシミュレーション結果になります。
社会福祉施設職員等退職手当共済の財源は経営者・国・都道府県の三者負担となるため、職員からの掛金徴収はありません。
(※1 2026年6月時点 独立行政法人勤労者退職金共済機構 基本退職金額表)
(※2 2026年6月時点 WAM NET (新乗率)退職手当金額早見表)
同じ勤続年数でも、加入する制度と掛金・基本給の設定により受給額が変動することがわかります。
介護士に退職金が支給される割合
厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査結果の概況」によると、医療・福祉分野で退職金制度を導入している企業は75.5%(※1)です。
この数値は全産業平均の74.9%(※2)とほぼ同水準であり、医療・福祉分野は他産業と比較しても遜色のない導入率を維持しています。
退職金の支給は法律で義務付けられた制度ではなく、勤務先が任意で導入する仕組みです。
そのため、約4分の1の介護関連事業所では退職金制度自体が設けられていない可能性があります。
なお、同データでは規模の大きい法人や社会福祉法人ほど制度の導入率が高くなる傾向にあります。
(※1~2 2026年6月時点 厚生労働省令和5年就労条件総合調査)
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介護士の退職金制度の種類
介護士が利用できる退職金制度は、運営主体ごとに「公的機関」「民間団体・組合」「企業・施設独自」の3つに大別できます。
それぞれの仕組みや特徴を把握しておくと、自身が将来受け取れる金額の見通しを立てやすくなります。
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公的機関が運営する共済制度
公的機関が運営する退職金共済制度は、介護業界における代表的な仕組みです。
代表例として挙げられるのは2つです。
ひとつは独立行政法人福祉医療機構が管掌する「社会福祉施設職員等退職手当共済制度」、もうひとつは独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営する「中小企業退職金共済制度」になります。
社会福祉施設職員等退職手当共済制度(福祉医療機構)
社会福祉施設職員等退職手当共済制度は、主に社会福祉法人で働く職員を対象とした退職金制度です。
財源は共済契約者(経営者)・国・都道府県の三者が負担し、職員自身からの掛金徴収はありません。
加入から1年が経過すると退職手当金の支給対象となり、勤続年数と本俸額に応じて算定額が決まります。
社会福祉法人の約9割がこの共済を契約しており、業界の標準的な制度として広く活用されています。
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中小企業退職金共済制度(勤労者退職金共済機構)
中小企業退職金共済制度(中退共)は、中小企業を対象とした国の退職金共済制度です。
掛金は全額事業主負担となり、職員側の支出は発生しません。
加入から1年を経過すると退職金請求が可能となり、入社と同時に手続きを行うケースが一般的です。
60歳以降の退職で一時金額が80万円以上ある場合、本人の希望次第で年金形式の受け取りも選べる仕組みになっています。
民間団体・組合が運営する共済制度
民間団体や業界組合が運営する退職金共済も、介護業界では広く活用されています。
主な仕組みに、社会福祉協議会などが手がける「民間社会福祉事業従事者共済制度」と、商工会議所が窓口の「特定退職金共済制度」があるでしょう。
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民間社会福祉事業従事者共済制度
民間社会福祉事業従事者共済制度は、民間の社会福祉施設・団体で働く職員を対象としています。
各自治体の社会福祉協議会などが運営し、勤務先と職員の双方が掛金を負担する点が特徴です。
加入から勤続1年未満であっても、職員自身が負担した分相当の退職金は受け取れる仕組みになっています。
労使双方で資金を積み立てるため、給付原資が安定しやすいメリットも備えています。
特定退職金共済制度(商工会議所等)
特定退職金共済制度は、各自治体の商工会議所などが運営主体となる退職金共済制度です。
税務署長の承認を受けた「特定退職金共済団体」が制度を運用し、事業所規模の制限なく加入できます。
掛金は全額事業主負担となり、職員自身の支出は発生しません。
加入から勤続1年未満の退職でも、退職金を受け取れる場合がある点が特徴のひとつです。
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企業・施設が独自に運営する制度
企業や施設が独自に設計する退職金制度も、介護業界では多く採用されています。
具体例として、確定給付企業年金制度(DB)、企業型確定拠出年金制度(企業型DC)、施設独自の退職一時金制度などが該当します。
確定給付企業年金制度(DB)
確定給付企業年金制度(DB)は、すでに確定している年金額を適宜受け取る仕組みの企業年金です。
掛金は原則として事業主が負担しますが、職員の同意があれば最大半額まで職員負担とすることもできます。
運用資産は信託銀行などの外部機関で管理されており、勤務先の経営状況が悪化しても年金給付への影響は限定的でしょう。
原則として60歳以上または65歳以上で受給が始まり、加入期間が要件に満たない場合は脱退一時金が支給される場合もあります。
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企業型確定拠出年金制度(企業型DC)
企業型確定拠出年金制度(企業型DC)は、加入する職員自身が運用商品を選択する企業年金です。
掛金は原則事業主負担で、規約に定めがある場合は半額まで職員が負担するケースもあります。
受給額は職員自身の運用実績によって変動するため、運用リスクは職員側が負担する仕組みです。
原則として60歳以降に受給が始まり、運用期間中の利益は非課税で再投資されるメリットがあります。
介護施設独自の退職一時金制度
介護施設独自の退職一時金制度は、施設が社内積立などで資金を準備し退職時に一括支給する仕組みです。
支給条件・計算式・支払時期などを施設側が自由に設計できる柔軟性が、この制度の魅力でしょう。
ただし、運営法人が倒産した場合には積立資金が確保できず、退職金を受け取れないリスクが伴います。
経営の安定性が高い大規模施設や社会福祉法人ほど、この方式を採用しやすい傾向にあります。
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介護士の退職金が決まる方法|代表的な2つの計算方法
介護士の退職金は、勤務先の制度ごとに2つの典型的なパターンで算定されます。
主流となるのは、勤続年数と基本給を掛け合わせる方式と、勤続年数ごとに支給額を一律で設定する方式の2種類です。
勤続年数と基本給を掛け合わせるパターン
退職金の計算式として一般的に採用されているのが、退職時の基本給と勤続年数を組み合わせる方法です。
具体的には「基本給×勤続年数×支給率」の式が用いられ、支給率は退職理由や年数に応じて変動します。
例えば厚生労働省のモデル就業規則では、勤続5年未満は「基本給×1」、勤続21~25年は「基本給×10」と段階的に倍率が上がる設計になっています。
(※2026年6月時点 厚生労働省 モデル就業規則)
昇給を重ねて基本給が上がるほど、退職金額も比例して増えていく点が大きな特徴です。
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勤続年数ごとに支給額が決められているパターン
役職や基本給に左右されず、勤続年数のみで支給額が決まる制度を採用する施設も少なくありません。
例えば「勤続10年で70万円」「勤続20年で180万円」というように、定額方式で運用するケースが該当します。
基本給の変動を受けにくいため、安定したライフプランを立てやすい利点があるでしょう。
ただし、昇給や昇進が直接的に退職金額に反映されない仕組みのため、人によってはモチベーションを下げる要因にもなります。
介護士の退職金が支給されるか調べる方法
自分が退職金を受け取れるかどうかを確認するためには、勤務先の規定や担当者から情報を集めることが大切です。
主な手段としては「就業規則の確認」「給与明細の確認」「先輩職員への質問」「労務担当部署への問い合わせ」の4つがあります。
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勤務先の就業規則を調べる
確実な確認方法のひとつとして挙げられるのが、勤務先の就業規則をチェックすることです。
退職金制度がある事業所には、支給条件・計算方法・支払時期を就業規則に明記する義務があり、職員がいつでも確認できる場所に備え付けるルールも設けられています。
就業規則は入職時に書面で配布されたり、社内サーバーで共有されたりする職場も多いため、まず手元のデータを確認しましょう。
退職金規定の項目を読めば、現時点で退職した場合に受給対象となるかどうかを判断しやすくなります。
給与明細の控除項目を確認する
給与明細の控除項目を確認することでも、退職金制度の有無を推測できます。
「退職金掛金」「企業年金掛金」「確定給付掛金」といった項目で給与から天引きされている場合、その退職金制度が適用されている可能性が高いでしょう。
ただし、掛金を事業主が全額負担する制度も存在するため、明細に控除がなくても退職金に対する備えがないとは限りません。
確実な情報を得るためには、就業規則や担当部署への問い合わせと併せて判断するのがおすすめです。
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退職した先輩介護士に聞く
過去に退職した先輩介護士に話を聞くのも、有効な情報収集の手段です。
実際に受給を経験している人物からは、支給時期や手続きの流れなどリアルな体験談を引き出せる場合があります。
ただし、退職金の金額は基本給や勤続年数によって変動するため、聞いた金額はあくまでも参考程度に受け止めるのが無難でしょう。
連絡が取りやすい元同僚がいる場合は、退職後の生活設計を話しながら自然に質問を投げかけてみると露骨にならないためおすすめです。
労務管理を行う部署に確認する
人事や総務など労務管理を担う部署に直接尋ねる方法も、確実性が高い手段です。
労務担当者は退職金の計算方法や受給に必要な手続きを把握しているため、具体的な金額の見込みを回答してもらえる場合があります。
ただし、唐突に退職金の話題を切り出すと「退職の意向あり」と捉えられる恐れがあるため、伝え方やタイミングへの配慮が欠かせません。
ライフプラン相談や福利厚生の確認といった文脈で質問するなど、自然な切り口を選びましょう。
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介護士の退職金にまつわる注意点
退職金を確実に受け取り、適切に活用するためには、押さえておきたい注意点がいくつかあります。
ここからは「支給額の変動要因」「振込タイミング」「勤続年数要件」「課税の仕組み」の4つを順番に解説していきます。
支給額は事業所や勤続年数によって大きく異なる
退職金の支給額は、事業所が採用している制度の種類や勤続年数によって大きく異なります。
同じ介護士であっても、社会福祉法人と中小規模の民間事業所では受給額に数百万円単位の差が生じる場合もあるでしょう。
勤続10年で約100万円、勤続20年で500万円を超えるケースもあり、年数を重ねるほど金額の幅が大きくなります。
正確な見込み額を知るためには、自分の勤務先がどの制度を採用しているかを把握することが欠かせません。
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退職金が振り込まれるタイミングは職場で異なる
退職金の振込時期は法律で一律に定められておらず、職場ごとの規定によって異なります。
一般的には、退職から1~2ヶ月程度で支給されるケースが多いです。
なお、退職金の支給時期は就業規則に明示する義務があるため、不明な場合は規定を確認してみましょう。
予定日を過ぎても入金が確認できない場合は、すみやかに勤務先や該当の共済機構へ問い合わせるのがおすすめです。
勤続年数の条件によっては退職金が受け取れない
勤続年数が不足していると、退職金の支給対象から外れる場合があります。
例えば中退共では加入から1年が経過しなければ受給対象とならず、社内独自制度では勤続3年以上を条件とする職場も少なくないでしょう。
短期間で離職してしまうと制度に加入したとしても受け取れないケースが多いため、就業規則の最低勤続年数は要確認です。
転職を検討する際には、現職での退職金の取り扱いを把握したうえで判断するのが望ましいでしょう。
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退職金にも所得税・住民税がかかる
退職金は給与所得と同様に、所得税と住民税の課税対象です。
勤続年数に応じた「退職所得控除」の適用により、一部に税金が発生します。
勤続20年以下の控除額は「40万円×勤続年数」、20年超では「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」の計算式となります。
「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出しておけば源泉徴収で完結するため、確定申告は原則として不要です。
(※2026年6月時点 国税庁 退職金と税)
転職時の介護士の退職金の取り扱い
転職を検討している介護士は、加入していた退職金制度がどう扱われるかを把握しておく必要があります。
退職金制度には、転職先と同じ共済に通算できる仕組みや、特定条件下で被共済期間を引き継ぐ制度が用意されているケースがあります。
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同じ共済制度の施設間で転職する場合の通算手続き
中退共に加入している事業所間で転職する場合、一定の条件を満たせば掛金納付月数の通算が可能です。
通算手続きを利用することで、転職の前後で勤続年数を引き継いだ受給が見込めます。
通算の主な条件は、以下の3点です。
旧事業所を退職してから3年以内に新事業所で被共済者になる
旧事業所において退職金は未請求である
旧事業所での掛金納付月数が12月以上
加入1年未満で転職するケースなど、退職金面のリスクが高い場合は事前に制度を確認しておきましょう。
なお、旧事業所での掛金納付月数が12月未満の場合は、退職事由について厚生労働大臣の認定書が必要となります。
手続きの流れとしては、新事業所での退職金共済への追加加入後、所定書類を中退共本部に提出する形になります。
通算が完了すると、通算月数を反映した新しい共済手帳が新事業所へ送付される仕組みです。
異なる共済制度・制度未加入の事業所へ転職する場合の通算手続き
中退共と特定業種退職金共済制度(建設業・清酒製造業・林業の期間雇用者対象)との間でも、条件を満たせば通算が可能です。
異なる業種間での通算は、再就職後の退職金額にも大きな影響を与える要素のひとつでしょう。
異なる企業に再就職する場合の主な条件は4点です。
旧事業所の退職から3年以内に中退共の被共済者となる
旧事業所で退職金は未請求である
本人の希望で通算を申し出る
退職事由について厚生労働大臣の認定がある
通算を希望する場合は、転職前から自分が加入している制度の種類を必ず把握しておきましょう。
通算手続きには通算申出書と退職金共済手帳の原本、厚生労働大臣の認定書を中退共本部保全課へ提出する必要があります。
中退共制度への加入日が平成28年4月1日以後の場合は通算上限が撤廃され、全額移換が可能になっています。
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社会福祉施設職員等退職手当共済における通算のルール
社会福祉施設職員等退職手当共済では、転職時に「合算」「通算」と呼ばれる仕組みが整備されています。
これらの仕組みを活用することで、社会福祉法人間での転職時にも退職金の受給機会を確保しやすくなるでしょう。
合算制度を利用する条件は以下のような内容と他に、いくつか定められています。
前の勤務先から続けて1年以上被共済職員として勤務している
前職退職時に退職手当金を未請求である
退職から3年以内に共済対象施設で加入要件を満たして再就職しているなど
法人転籍時の取り扱いは制度ごとに細かい違いがあるため、機構の手続きマニュアルを参照しましょう。
法人合併や施設譲渡などで雇用主が変わる場合は、最初から後の共済契約者の被共済職員であったものとみなされ、被共済職員期間が通算される仕組みです。
転職時には機構あてに合算制度の利用を申し出ることが必須となるため、再就職時の手続きを忘れないようにしましょう。
転職前にチェックしておきたい退職金関連のポイント
転職時に退職金で損をしないためには、事前確認が欠かせません。
具体的には、現職の退職金規定(最低勤続年数・計算方法・支給時期)、転職先の退職金制度の有無、加入している共済制度の通算可否などをチェックする必要があるでしょう。
求人票の福利厚生欄や面接の場で、退職金制度の運用状況を直接確認するのも効果的です。
長期的に勤務できる職場を選び、共済制度の通算手続きを適切に進めることで、将来の受給額を最大化できる可能性があります。
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介護士が退職金を増やすためのポイント
退職金の支給額を増やすためには、計算式の構造を理解したうえで、要素ごとに対策を講じる必要があります。
ここからは「資格取得による基本給アップ」「勤続年数の伸長」「制度が充実した職場への転職」の3つを順番に紹介していきましょう。
資格を取得して基本給アップを目指す
退職金算定の基礎となる本俸額を上げるためには、上位資格の取得が有効です。
介護福祉士・ケアマネジャーなどの国家資格や、認定介護福祉士・喀痰吸引等研修などの専門資格を取得すると、資格手当の追加や昇給が見込みやすくなるでしょう。
「基本給×勤続年数×支給率」の計算式を採用する事業所では、基本給の上昇がそのまま退職金額の増加につながります。
スキルアップと将来の退職金確保を同時に進められる点が、資格取得の大きなメリットになります。
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同じ施設で長く勤務して勤続年数を伸ばす
ひとつの施設で長期間働き続けることが、退職金を増やすシンプルな方法のひとつです。
中退共のシミュレーションでは、勤続10年で1,771,840円だった支給額が、勤続20年では3,733,240円まで拡大します。
(※1~2 2026年6月時点 独立行政法人勤労者退職金共済機構 基本退職金額表)
勤続年数に応じて支給率や定額単価が大きく伸びる設計の制度が多く、長期勤務ほど受給額の恩恵を享受しやすい仕組みです。
転職を検討する場合でも、現職である程度の勤続年数を満たしてから動くことで、退職金面の損失を抑えられます。
退職金制度が手厚い職場へ転職する
現在の勤務先に退職金制度がない、もしくは支給水準が低い場合には、制度が充実した職場への転職も有効な選択肢になります。
社会福祉施設職員等退職手当共済を導入している社会福祉法人や、中退共・確定給付企業年金(DB)を併用する大手介護事業者は、相対的に退職金水準が高めです。
求人票の福利厚生欄を確認したり、転職エージェントを通じて事業所の制度内容をリサーチしたりすることで、ミスマッチを避けやすくなります。
長期的なライフプランを描くうえで、退職金制度の有無と内容を判断軸の1つに据えると、将来像がより具体的な転職を進められます。
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介護士の退職金に関するよくある質問
最後に、介護士の退職金についてよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
支給時期や勤続年数別の金額目安など、転職や退職を検討する際の参考にしてください。
何年勤めれば介護士は退職金をもらえる?
退職金の受給要件となる勤続年数は、勤務先の制度によって異なります。
施設独自の退職金制度を採用している事業所では、勤続3年以上を支給条件とするケースが多くみられます。
中退共や社会福祉施設職員等退職手当共済などの共済制度では、加入から1年が経過すれば支給対象となる仕組みです。
最低勤続年数は就業規則に明記されているため、受給対象かどうかを正確に把握するためには規定の確認が欠かせません。
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介護士の退職金はいつもらえる?
退職金の支給時期は、職場の規定によって異なります。
退職から1~3ヶ月程度で支払われるのが一般的な目安になります。
退職金共済を利用している場合は、共済機構の処理に時間を要し、振込まで数ヶ月かかることもあるでしょう。
予定日を過ぎても入金がなければ、職場の労務担当部署や該当の共済機構へ早めに問い合わせることをおすすめします。
勤続年数ごとに介護士の退職金はどれくらい変わる?
社会福祉施設職員等退職手当共済を例にとると、勤続年数の伸長に伴って退職金額が大きく変動する傾向にあります。
介護福祉士は社会福祉法人で長期勤務するほど、相対的に高い水準の退職金を受け取りやすくなります。
基本給を含める計算式で用いる支給率は勤続年数により段階的に増加するのが一般的です。
厚生労働省のモデル就業規則に記載のある支給率は、勤続5年未満は「1」ですが、勤続16~20年は「7」になっています。
つまり、勤続20年・基本給28万円まで進むと196万円まで上昇する計算です。
勤続41年以上は支給率「25」になるため、長期勤務の経済的価値の大きさがうかがえます。
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勤続25年の介護福祉士に支給される退職金はいくら?
退職金を基本給から算出する方法である場合、約350万円という計算結果になります。
これは介護福祉士の平均給与350,050円(※)を基にした金額です。
(※ 2026年6月時点 厚生労働省 令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果)
社会福祉法人や大手介護事業所での勤務の場合は、平均よりも高い水準を見込めるでしょう。
加入している制度や事業所の規模によって実額は変動するため、上記はあくまでも目安として参考にしてください。
勤続10年の介護福祉士に支給される退職金はいくら?
退職金を基本給から算出する方法である場合、約105万円という計算結果になります。
これは介護福祉士の平均給与350,050円(※)を基にした金額です。
(※ 2026年6月時点 厚生労働省 令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果)
加入している退職金制度ごとに金額の差が生まれる点も覚えておきましょう。
社会福祉施設職員等退職手当共済を採用する社会福祉法人では、同じ勤続10年・基本給22万円の条件で114万8,400円(※2)のシミュレーション結果が示されています。
(※ 2026年6月時点 WAM NET (新乗率)退職手当金額早見表)
加入制度や退職理由次第で金額が変動するため、参考値として把握しておきましょう。
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退職金が2000万になる場合の手取り・勤続年数はどのくらい?
退職金が2,000万円に到達するためには、勤続年数と基本給の両面で相応の水準が必要になります。
社会福祉法人で長期勤務した管理職クラス、または複数の退職金制度を併用する大手事業所での勤務などが、2,000万円到達の現実的なケースでしょう。
一つの例として、中小企業退職金共済に加入しているうえで45年以上月3万円の掛け金を収めた場合はおよそ20,47万円(※)の退職金になります。
(※2026年6月時点 独立行政法人勤労者退職金共済機構 基本退職金額表)
正確な手取りを把握するためには、所得税率・住民税率に基づく個別計算が必要になるため、税理士やファイナンシャルプランナーへの相談も検討しましょう。
