介護職の転職は当たり前?転職を繰り返すよくある理由や介護職の転職の注意点を解説
介護業界は慢性的な人材不足を背景に求人数が多く、「転職が当たり前」といわれるほど職場を変えながらキャリアを築く人が多い業界です。
この記事では、介護職で転職が一般的とされる理由や代表的な転職理由、転職を繰り返す際の注意点、転職活動をスムーズに進めるポイントから働き方が好転した事例まで詳しく解説します。
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介護職においての転職が当たり前と言われる理由
介護業界では、職場を変えながらキャリアを築くことが珍しくありません。
慢性的な人材不足を背景に求人数が多く、転職のハードルが他の業種と比べて低い点が大きな要因です。
こうした環境のなかで、複数回の職場変更を経験しながらスキルアップを図る人も少なくありません。
介護職の3/4以上は転職経験がある
レバウェル株式会社が公表した「きらケア介護白書 2022」によると、介護職員の4分の3にあたる約75%(※)が職場を変えたことがあると回答しています。
(※2026年5月時点 きらケア介護白書 2022)
同資料によるとなかには5回以上の転職歴がある人も存在し、職場移動に対する抵抗感は他業種と比べて薄い傾向にあります。
こうした背景には、施設形態ごとに業務内容が大きく異なり、自分に合った環境を探して動く人が多いという事情があります。
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介護職の3割以上は5年以内に転職する
介護労働安定センターの調査によると、介護職員の勤続年数は10年以上15年未満(※1)の割合が最も多くなっています。
一方で、介護職全体の平均勤続年数は約7.5年(※2)であり、全産業の平均と比較すると短い水準にとどまっています。
(※1~2 2026年5月時点 令和5年度介護労働実態調査 公益財団法人介護労働安定センター)
短期間で離職する理由としては、人間関係の問題や待遇面の不満などが挙げられます。
勤続年数が伸びにくい構造自体が、転職が当たり前という認識を後押ししているといえるでしょう。
採用する側が転職回数を気にしなくなった
介護業界では、採用する施設側が応募者の転職歴をマイナス要因として評価しにくくなっています。
介護ヘルパーの有効求人倍率は数年前に飛躍的に上昇しており、施設側にとって人材の確保そのものが大きな経営課題となっています。
厚生労働省の報告では、訪問介護員の有効求人倍率は14.14倍(※)に達しています。
介護職は人材の需給バランスが崩れた状態が長く続いているため、採用側が経験やスキルを重視し、転職回数よりも即戦力としての適性に注目する傾向が強まっています。
(※2026年5月時点 訪問介護事業への支援について(報告) 厚生労働省)
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介護業界における代表的な転職理由
介護職員が職場を離れる動機は、待遇や環境面にまつわるものが中心です。
令和5年度の介護労働実態調査では、前職を辞めた理由として複数の項目が上位に挙がっています。
ここでは、多くの人が挙げる代表的な転職理由を紹介します。
職場の人間関係に悩んでいるから
職場の人間関係に悩み、転職を検討する介護職も少なくありません。
介護職は利用者の生活を支えるためにチームで連携する場面が多く、同僚や上司との関係が業務の質に直結しやすい特性を持っています。
介護労働安定センターの令和6年度調査によると、介護職員の退職理由として職場の対人関係を挙げた人は24.7%(※)に上っています。
上司との方針の食い違いや、利用者の家族への対応をめぐる意見の衝突など、複数の関係者が絡むストレスを抱えやすい環境です。
(※2026年5月時点 令和6年度「介護労働実態調査」結果の概要について 公益財団法人介護労働安定センター)
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業務量に対して給与が低いと感じるから
身体介助を伴う負担の大きい仕事内容に見合わない報酬への不満も、退職を決断する大きな要因です。
介護報酬は公的に定められており、事業所が独自に受け取れる報酬の上限が決まっています。
そのため、個人の努力やスキル向上が昇給につながりにくい状況になっています。
より好条件の事業所を求めて転職に踏み切るケースが多い背景には、こうした業界特有の報酬制度があるといえるでしょう。
休日や残業など労働条件への不満があるから
シフト制勤務が基本となる介護現場では、休日の希望が通りにくかったり、急な残業が発生したりする場合があります。
なかでも入所型施設では夜勤を伴うことが多く、生活リズムが不規則になりやすい点に負担を感じる人が少なくありません。
介護職員の離職率を下げた事業所の多くが、残業削減や有休取得の促進を進めている点からも、労働条件の改善が人材定着の鍵を握ることがわかります。
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思っていたような教育が受けられなかったから
入職前に期待していた研修や指導が不十分だったことを理由に、早期離職を選ぶケースも見られます。
未経験から介護の仕事を始めた人にとっては、体系的な教育プログラムの有無が働き続けるうえで重要な判断材料になります。
教育制度が整っていない職場では、業務を覚えるまでの不安が大きくなり、結果として短期間で辞めてしまう可能性が高まります。
今よりも好条件の職場・仕事を見つけたから
より良い条件の職場が見つかったことをきっかけに、前向きな動機で転職を決める人も一定数存在します。
有効求人倍率が高い介護業界では、在職中でも好待遇の求人情報に接する機会が多くあります。
ネガティブな理由のみでなく、キャリアアップや待遇改善を目指した積極的な転職が増えていることは、業界全体の成熟を示す指標のひとつといえるでしょう。
介護業界で転職を繰り返す場合の注意点
介護業界では転職が一般的であるとはいえ、回数を重ねることにはリスクも伴います。
短期間での離職が続くと、採用担当者に「定着しにくい人材」という印象を与える可能性があります。
面接の場では、転職希望者が転職のたびに何を学び、どのような成長を遂げたかを具体的に説明できるよう準備しておくことが重要です。
また、転職回数を増やさないために、次の職場選びでは自分の譲れない条件を事前に整理しておく必要があります。
さらに、勤続年数が短いまま退職を繰り返すと、退職金や昇給といった長期勤続で得られるメリットを逃してしまう点にも注意が求められます。
人材不足の業界であっても、計画性のない転職はキャリア形成において不利に働く場合があるでしょう。
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介護業界での転職活動をスムーズに進めるポイント
転職希望者が介護職として納得のいく転職を実現するためには、事前準備を丁寧に行うことが欠かせません。
求人数が多い業界だからこそ、自分に合った職場を見極めるためのコツを知っておく必要があります。
転職の目的や理由を明確にしておく
理想の転職を実現させるための第一歩は、なぜ職場を変えたいのかを自分自身で言語化することです。
「人間関係がつらい」「給与を上げたい」といった漠然とした不満ではなく、次の職場で何を実現したいかを具体化する作業が欠かせません。
目的が明確であれば、求人を比較する際の基準が定まり、入職後のミスマッチを防ぐことにもつながります。
自己分析で自分の強みや適性を把握する
転職希望者がこれまでの介護経験で培ったスキルや得意な業務を棚卸しすることで、自分に合った施設形態や職種が見えてきます。
例えば、認知症ケアの経験が豊富な人はグループホームや認知症対応型デイサービスでの活躍が期待できるでしょう。
反対に、体力面に不安がある場合は日勤中心のデイサービスや訪問介護を候補にするなど、自分の適性と照らし合わせた選択が大切です。
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求人情報や職場環境を丁寧にリサーチする
転職希望者は、求人票に記載された条件のみでなく、実際の職場の雰囲気や離職率を事前に確認することが重要です。
可能であれば施設見学を申し込み、職員同士のやり取りや利用者への対応を直接観察してみましょう。
求人票に「アットホームな職場」などの曖昧な表現が多い場合は、具体的な数量や制度の有無を問い合わせて確認する姿勢が欠かせません。
転職エージェントや転職サイトを活用する
転職希望者が介護業界に特化した転職エージェントを利用すると、非公開求人の紹介や面接対策のサポートを受けることができます。
複数のサービスに登録しておけば、より幅広い選択肢のなかから自分の希望に合う職場を見つけやすくなるでしょう。
エージェントの担当者には、転職回数が多い場合でもその理由や今後のビジョンを正直に伝えることで、適切な求人を提案してもらえる可能性が高まります。
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転職で介護職としての働き方が好転したケース紹介
転職が当たり前の介護業界では、職場を変えたことで労働環境やキャリアが大きく改善した事例も数多く存在します。
ここでは、転職を通じて働き方をプラスに変えた2つのケースを紹介します。
資格を活かして待遇改善につなげたケース
非正規雇用のまま障害者介護に従事していたAさんは、実務経験を積みながら介護福祉士の国家資格を取得しました。
資格取得後にデイケアへ転職したところ、正社員としての採用が実現し、雇用の安定と収入の向上を同時に叶えることができました。
高齢者介護の経験がなかったにもかかわらず正規雇用を勝ち取れた背景には、国家資格の保有が大きく寄与しています。
資格の取得は、転職市場での評価を高める有効な手段のひとつです。
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人間関係のリセットで長く働ける環境を得たケース
前職で上司や同僚との関係に悩んでいたBさんは、思い切って別の事業所へ移ることを決断しました。
新しい職場では風通しの良いコミュニケーションが根づいており、精神的な負担が軽減されました。
職場の人間関係は、採用が順調な事業所の理由としても62.7%(※)が挙げる最重要項目です。
(※2026年5月時点 令和5年度「介護労働実態調査」結果の概要について)
環境を変えることで同じ介護職でも長く働き続けられるようになるケースは珍しくありません。
夜勤なしの職場に移り家庭と両立できるようになったケース
子育て中のCさんは、夜勤を含むシフト勤務に限界を感じ、日勤のみで働ける事業所を探しました。
デイサービスへ転職した結果、規則的な生活リズムを維持しながら家庭との両立が可能になっています。
夜勤がないことで収入がやや減少する面もありますが、ワークライフバランスを重視する働き方として選択肢は広がっています。
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施設形態を変えたことで自分に合う介護が見つかったケース
特養から夜勤のないデイサービスへ転職したAさんは、その後法人内の別の特養へ異動しました。
再び特養での勤務に戻ったことで、自分は特養で働くのが好きなんだなと実感できるようになりました。
施設の種類によって求められるケアの内容は大きく異なるため、自分の理想とする介護スタイルに合った形態を選ぶことが満足度の向上につながります。
管理職への昇進を見据えてキャリアの幅を広げたケース
将来的に管理職を目指していたEさんは、現場経験のみでなくマネジメントスキルを身につけられる環境を求めて転職しました。
新しい職場ではリーダー業務を任される機会が増え、ケアプラン作成やスタッフ指導にも携わるようになっています。
計画的なキャリアビジョンを持ったうえでの転職は、ポジションや年収の向上に結びつく可能性が高まるでしょう。
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介護転職に関するよくある質問
介護業界での転職を検討している方が抱きやすい疑問について、本記事で具体的に回答します。
介護職は転職を何回くらいする人が多い?
介護業界では1回(※1)の転職経験を持つ人が最も多い傾向にあります。
なかには5回以上(※2)の転職を経験している人もおり、他業種に比べて転職回数が多くなりやすい業界です。
(※2026年5月時点 きらケア介護白書 2022)
介護職の転職は年齢が高いと不利になる?
介護職の転職は年齢が高くても大きく不利になるとは限りません。
介護労働安定センターの調査では、全国の介護職員の平均年齢は48.7歳(※)であり、40代・50代が主力として活躍している業界です。
(※2026年5月時点 令和6年度 介護労働実態調査結果について 公益財団法人介護労働安定センター)
介護業界は慢性的な人材不足の状態にあるため、年齢よりも意欲や対応力を重視して採用する施設が多い傾向があります。
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介護の面接で不採用になる確率が高いパターンは?
面接で不採用になりやすいケースとしては、志望動機が曖昧であったり、前職の退職理由を他者のせいにする姿勢が見られたりする場合が挙げられます。
身だしなみや態度といった基本的なマナーが不十分な場合も、採用担当者の評価を下げる要因になります。
面接官の質問に対して具体的なエピソードを交えながら回答できるかどうかが、合否を分けるポイントです。
転職すると後悔する可能性が高いパターンは?
現在の職場への一時的な不満のみで転職を決断した場合、新しい環境でも同様の課題に直面する可能性があります。
なかでも、人間関係の問題を理由に転職しても、根本的な対人スキルが変わらなければ同じ悩みを繰り返してしまうケースが見られます。
後悔しない転職を実現するには、現職で改善できる余地がないかを検討したうえで、それでも解決が難しい場合に初めて転職を選択するという順序が大切です。
焦って行動するよりも、情報収集と自己分析に十分な時間をかけることが、満足度の高い転職につながるでしょう。
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