介護士の派遣時給はいくら?平均相場や時給を上げる方法を解説
派遣で介護の仕事を探していると、パートやアルバイトより時給の高い求人を見かけることがあります。
「介護士の派遣時給はいくらが相場なのか」「資格を取ればどのくらい上がるのか」と気になっている方もいるでしょう。
介護士の派遣時給は、厚生労働省の最新統計では約1,387円、求人サイトの募集データでは1,800円前後と、調査によって差があります。資格や地域、仕事内容によっても金額は変わります。
公的データと求人サイトの情報をもとに、介護士の派遣時給の相場や資格・地域による違い、時給を上げる方法、正社員との収入差まで解説します。
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介護士の派遣時給の相場はいくら?
介護士の派遣時給は、データの集計方法によって1,300円台から1,800円台まで幅があります。
実際に支払われた賃金をもとにした行政統計と、求人募集時の時給を集計した求人サイトでは、数字の意味が異なるためです。
相場を確認するときは、ひとつの平均時給だけで判断せず、複数のデータを見比べる必要があります。
厚生労働省の調査でみる派遣時給
厚生労働省の令和5年度労働者派遣事業報告書をもとに算出すると、介護サービス職業従事者の平均賃金は8時間換算で11,093円です。1時間あたりに換算すると約1,387円となります(※1)。
同じ資料では、派遣労働者全体の平均賃金は8時間換算で16,735円で、1時間あたり約2,092円です。介護サービス職業従事者は、派遣労働者全体の平均を下回っています。
厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、時給制・非常勤の介護職員は、平均給与額が12万9,880円、実労働時間数が84.2時間です。
単純に割ると1時間あたり約1,543円となりますが、平均給与額には基本給のほか手当や一時金が含まれるため、求人票などに記載される「時給」とは異なります(※2)。
同調査の時給制・非常勤介護職員を見ると、平均給与額を実労働時間数で単純換算した1時間あたりの金額は、保有資格なしで約1,330円、保有資格ありで約1,558円です。
ただし、平均給与額には手当や一時金も含まれるため、資格別の「基本時給」を示す数字ではありません。
同じ「介護士の時給」でも、派遣労働者だけを集計したデータなのか、非常勤の介護職員全体を対象にしているのかで数字は変わります。相場を見る際は、調査対象まで確認しておきましょう。
(※1 2026年8月時点 厚生労働省 令和5年度労働者派遣事業報告書の集計結果(速報))
(※2 2026年8月時点 厚生労働省 令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果)
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求人サイトの集計でみる派遣時給
求人ボックス「給料ナビ」では、2026年7月時点で介護士の派遣社員は平均時給1,807円(※3)、介護福祉士の派遣社員は1,733円(※4)です。
厚生労働省の統計より高い数字ですが、求人ボックスは掲載されている求人情報をもとに算出しています。
つまり、「現在募集されている求人で提示されている時給」の目安であり、実際に働いている介護士へ支払われた賃金の平均とは異なります。
行政統計と求人サイトの数字を整理すると、次のとおりです。
| データ元 | 平均時給 |
|---|---|
| 厚生労働省 令和5年度労働者派遣事業報告書(介護サービス職業) | 約1,387円/時間 |
| 厚生労働省 令和6年度介護従事者処遇状況等調査(時給制・非常勤) | 約1,543円/時間 |
| 求人ボックス 給料ナビ(介護士派遣・全国) | 1,807円 |
| 求人ボックス 給料ナビ(介護福祉士派遣・全国) | 1,733円 |
現在の求人水準を知りたい場合は求人サイト、実際の賃金水準を確認したい場合は行政統計というように、目的に合わせて使い分けると数字を比較しやすくなります。
(※3 2026年8月時点 求人ボックス 給料ナビ「介護士の仕事の平均年収・時給」)
(※4 2026年8月時点 求人ボックス 給料ナビ「介護福祉士の仕事の平均年収・時給」)
保有資格・地域・業務内容による派遣時給の違い
介護士の派遣時給は、資格の有無や勤務地、担当する仕事によっても変わります。
厚生労働省の調査では、平均給与額を実労働時間で換算した金額が、保有資格なしで約1,330円、保有資格ありで約1,558円でした。手当や一時金を含む金額のため求人票の時給とは異なりますが、資格の有無で差が出ていることは読み取れます。
介護職員初任者研修や実務者研修、介護福祉士と専門性が高くなるにつれて、応募できる求人の幅も広がります。
求人ボックスの2026年7月時点の集計では、介護士の派遣社員が1,807円、介護福祉士の派遣社員が1,733円です。職種ごとに集計対象となる求人が異なるため、この2つの数字だけから資格取得による時給上昇額を判断することはできません。
資格取得には時間がかかりますが、介護福祉士などは転職後も活かせます。中長期的に時給を上げたい場合は、資格取得も選択肢になるでしょう。
勤務地による差もあります。
求人ボックスでは、2026年7月時点の東京都の介護士派遣の平均時給は1,868円(※5)で、全国の1,807円を61円上回っています。
業務内容によっても時給は同じではありません。
厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、時給制・非常勤の介護職員の平均基本給額は1,220円(※2)です。訪問介護事業所で働く時給制・非常勤の介護職員では1,380円(※2)となっています。
同じ資格を持っていても、地域や施設形態、仕事内容が変われば提示される時給も変わります。
求人を探す際は、「資格を取ればいくら上がるか」だけではなく、自分の通勤可能な地域や希望する業務まで含めて比較してみてください。
(※2 2026年8月時点 厚生労働省 令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果/※5 2026年8月時点 求人ボックス 給料ナビ「東京都における介護士の仕事の平均年収・時給」)
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派遣はパート・正社員より時給が高いのか
介護士の派遣は、パート・アルバイトと比べると時給が高い傾向があります。
求人ボックスでは、2026年7月時点で介護士のアルバイト・パートの平均時給が1,242円、派遣社員は1,807円です(※3)。
差額は565円となります。
| 雇用形態 | 平均時給(求人ボックス調べ) |
|---|---|
| アルバイト・パート | 1,242円 |
| 派遣社員 | 1,807円 |
ただし、正社員との比較では見え方が変わります。
厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、月給制・常勤の介護職員の平均給与額は33万8,200円、実労働時間数は163.1時間です。
単純に割ると1時間あたり約2,074円となります。ただし、平均給与額には手当や一時金が含まれるため、派遣求人などに表示される「時給」と直接比較できる数字ではありません。
正社員には賞与や各種手当が支給される職場もあるため、「1時間あたりの求人時給」だけでは派遣と正社員のどちらが高収入かは判断できません。
短時間で効率よく働きたいのか、賞与や昇給を含めた年収を重視するのかによって、向いている雇用形態は変わります。
(※3 2026年8月時点 求人ボックス 給料ナビ「介護士の仕事の平均年収・時給」)
(※2 2026年8月時点 厚生労働省 令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果)
介護士の派遣時給が高くなる理由
介護士の派遣は、パート・アルバイトより高い時給で募集されることがあります。
理由のひとつは、必要な期間や時間帯に合わせて人材を配置できる派遣の仕組みによるものです。
急な欠員が出た施設では、経験のある介護士を早く確保しなければならないケースがあります。教育に時間をかけず現場へ入れる人材が求められるため、経験や資格を持つ派遣スタッフに高い時給を設定する求人もあります。
夜勤や資格保有などの条件が加われば、さらに高時給になりやすいでしょう。
一方、表示されている時給だけで条件が良いとは限りません。
派遣会社や求人によって交通費の扱いは異なります。時給とは別に交通費が支給されるのか、給与条件に含まれているのかも確認しておきたい部分です。
介護業界では人材確保が課題となっており、介護職員等処遇改善加算など、介護従事者の待遇改善に向けた制度も続いています。
派遣求人を比較するときは、高い時給だけに注目せず、仕事内容や勤務時間、交通費まで含めて実際の条件を見る必要があります。
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介護士が派遣の時給を上げる方法
派遣介護士として収入を増やしたい場合は、資格取得や夜勤、契約更新時の交渉など、いくつかの方法があります。
今の資格や勤務状況によって取りやすい方法は異なるため、すぐにできるものと中長期的に取り組むものを分けて考えてみましょう。
介護系の資格を取得する
介護士の時給は、資格の有無によって差が出ます。
介護職員初任者研修、実務者研修、介護福祉士と段階的に資格を取得すれば、応募できる求人の幅が広がります。
特に介護福祉士は国家資格で、資格を応募条件とする求人にも応募できるようになります。
ただし、求人ボックスの職種別平均時給は集計対象となる求人が異なるため、「介護士」と「介護福祉士」の全国平均だけで資格取得による時給上昇額を判断することはできません。
ただし、資格によって取得条件は異なります。
介護福祉士を実務経験ルートで目指す場合は、必要な実務経験や研修を満たしたうえで国家試験に合格しなければなりません。
すぐに時給を上げたい場合は夜勤や派遣先の変更を検討し、中長期的には資格取得を進めるなど、方法を組み合わせることもできます。
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夜勤のシフトに入る
夜勤は、日勤より収入を増やしやすい勤務形態です。
労働基準法では、午後10時から午前5時までの深夜労働に対し、通常の賃金の25%以上の割増賃金を支払うことが定められています(※7)。
たとえば通常の時給が1,600円であれば、深夜時間帯の賃金は25%増の場合で2,000円です。
ただし、夜勤は勤務時間が長くなる求人もあり、生活リズムや体力への負担も考える必要があります。
時給だけで判断せず、夜勤1回あたりの勤務時間や休憩時間、月に何回入るのかまで確認してから検討しましょう。
(※7 2026年8月時点 e-Gov法令検索 労働基準法)
時給交渉・条件の良い派遣先を探す
現在の派遣先で働き続けたい場合は、契約更新時に派遣会社へ時給について相談する方法があります。
勤務を続けるなかで任される仕事が増えた、資格を取得したなど、契約開始時から条件が変わっている場合は、担当者へ相談する材料になるでしょう。
時給が上がらない場合は、条件の良い派遣先へ変更する方法もあります。
同じ資格や経験年数でも、派遣先によって募集時給には差があります。
今の派遣先だけを基準にするのではなく、同じ地域にある複数の求人を比較すると、自分の経験でどの程度の時給を狙えるのか把握しやすくなります。
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派遣で時給以外に確認しておきたいポイント
高時給の求人でも、交通費や勤務時間などの条件によって実際の働きやすさは変わります。
契約前に確認しておきたいのは、次の項目です。
- 交通費が別途支給されるか
- 社会保険の加入条件と加入時期
- 契約期間と更新のタイミング
- 派遣期間に関するルール
- 夜勤・早出などの勤務条件
- 残業の有無と頻度
たとえば時給が100円高くても、通勤にかかる費用を自分で負担する求人であれば、手元に残る金額の差は小さくなります。
勤務時間やシフトも同様です。
高時給でも希望する勤務日数を確保できなければ、月収は思ったほど増えません。
求人票だけでは分からない条件もあるため、応募前に派遣会社の担当者へ確認しておくと、働き始めてからの認識違いを減らせます。
派遣と正社員、長期的にはどちらが良い?
派遣と正社員のどちらが合うかは、収入だけでなく、働き方や今後のキャリアによって変わります。
派遣は契約期間が決まっているため、契約更新を機に職場を変えやすい点が特徴です。
ひとつの施設に長く所属せず、複数の職場を経験できることをメリットに感じる人もいるでしょう。
レバウェル株式会社が2022年に実施した「きらケア介護白書2022」では、派遣を含む非正規職員は、正職員より収入に満足している割合が高い傾向が見られました(※6)。
有期雇用の派遣労働者には、原則として同じ派遣先の同一組織単位で働ける期間に3年の上限があります。ただし、派遣元で無期雇用されている派遣労働者や60歳以上の派遣労働者など、期間制限の対象外となるケースもあります。
派遣先が変われば、新しい業務の進め方や利用者の情報、人間関係をその都度覚えなければなりません。
賞与や退職金についても、正社員とは条件が異なる求人があります。
高い時給を重視するなら派遣が候補になりますが、昇給や賞与、役職へのキャリアアップまで含めて長く働きたい場合は、正社員も比較してみる価値があります。
派遣で複数の施設を経験し、自分に合う施設形態を見つけてから正社員を目指す方法もあります。
今の収入だけではなく、3年後・5年後にどのような働き方をしたいのかまで考えると、雇用形態を選びやすくなるでしょう。
(※6 2026年8月時点 レバウェル株式会社「介護士のキャリアや外国人雇用などに関するレポート『きらケア介護白書2022』を公開しました」)
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介護士の派遣時給に関するよくある質問
時給2,000円は可能?
介護士の派遣求人で時給2,000円を目指すことは可能ですが、平均的な水準より高い条件です。
求人サイトの集計では、介護士派遣の平均時給は1,807円(※3)、介護福祉士派遣は1,733円(※4)となっています。
介護福祉士などの資格を持っている、都市部で働く、夜勤に入るなど、複数の条件が重なると時給2,000円台の求人を見つけられる場合があります。
ただし、時給が高い求人ほど求められる経験や勤務条件も確認が必要です。
金額だけで決めず、仕事内容や勤務時間、夜勤回数まで比較しましょう。
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資格がなくても派遣で働ける?
介護施設などでは、無資格・未経験から応募できる派遣求人もあります。ただし、訪問介護員として身体介護などに従事する場合は、介護職員初任者研修修了者などの資格要件があります。
ただし、厚生労働省の調査では、平均給与額を実労働時間で換算した金額に、無資格者と資格保有者で差が出ています。
無資格から始める場合は、働きながら介護職員初任者研修などの資格取得を目指す方法もあります。
資格取得を支援する制度を設けている派遣会社もあるため、求人を探す際に確認してみてください。
夜勤専従の派遣は時給がどのくらい違う?
夜勤専従の派遣求人でも、勤務先や資格、地域によって募集時給は異なります。
夜勤では、午後10時から午前5時までの勤務に25%以上の深夜割増賃金が必要です。
そのため、日勤と同じ基本時給であっても、深夜時間帯を含む勤務では受け取る賃金が増えます。
実際の収入を比較するときは、表示されている時給だけではなく、1回の勤務時間や深夜割増、夜勤手当の有無まで確認しましょう。
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派遣から正社員に転職できる?
派遣介護士として働いたあと、正社員へ転職することも可能です。
派遣期間中に経験した身体介護や認知症ケア、夜勤などの業務は、正社員の選考でも実務経験として伝えられます。
派遣として複数の施設を経験している場合は、「どの施設形態が自分に合っているか」を整理しておくと、次の職場も選びやすくなるでしょう。
正社員へ切り替える際は、月給だけでなく賞与や資格手当、夜勤手当、年間休日なども含めて派遣時代の条件と比較してみてください。
介護士の派遣時給は資格・地域・働き方によって変わる
介護士の派遣時給は、厚生労働省の令和5年度労働者派遣事業報告書では1時間あたり約1,387円、求人ボックスの2026年7月データでは1,807円です。調査対象や集計方法が異なるため、数字には差があります。
平均時給だけでなく、資格や勤務地、施設形態、夜勤の有無によっても実際の募集条件は変わります。
時給を上げたい場合は、資格取得や夜勤へのシフト変更、契約更新時の交渉、より条件の良い派遣先への変更などが選択肢です。
一方、高時給だけを基準に派遣先を選ぶと、交通費や勤務時間、契約期間などを見落とすことがあります。
長期的な収入やキャリアを重視する場合は、賞与や昇給、役職へのキャリアアップも含めて正社員と比較してみましょう。
現在の経験や資格でどの程度の給与を目指せるのか分からない場合は、複数の求人を比較すると相場をつかみやすくなります。
派遣を続けるか正社員を目指すか迷っている方は、介護職専門の転職サービスへ相談し、希望する収入や働き方から選択肢を整理するのもおすすめです。
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