介護士の手当一覧|処遇改善・資格・夜勤手当はいくら?

毎月の給与明細を見ていても、基本給と手当の違いや、自分がどの手当を受け取っているのか分かりにくいと感じる介護士は少なくありません。

介護士の給与には、資格手当や夜勤手当、処遇改善手当などが上乗せされます。基本給が同じでも、勤務先の手当や夜勤回数によって月収に数万円の差が出ることもあります。

特に介護職員等処遇改善加算は制度改定が続いており、2026年6月にも介護報酬の期中改定が行われました。処遇改善の対象や加算区分が変わっているため、以前の情報だけでは現在の仕組みを把握できません。

介護士が受け取れる主な手当と金額の考え方、2026年の処遇改善加算の変更点、手当が充実した職場を見分ける方法まで整理します。

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介護士の手当にはどんな種類がある?

介護士が受け取る手当は、勤務先や保有資格、勤務時間によって異なります。

代表的なものは次のとおりです。

手当 主な内容
資格手当 介護福祉士など特定の資格保有者に支給
夜勤手当 夜勤シフトに入った職員に支給
処遇改善による賃金改善 介護職員等処遇改善加算を原資として、基本給・手当・一時金などに反映
住宅手当 家賃など住居費の一部を補助
通勤手当 通勤にかかる交通費を補助
役職手当 リーダー・主任などの役職者に支給

同じ介護福祉士でも、資格手当の金額や処遇改善加算の配分方法は職場ごとに異なります。

基本給だけでは実際の収入を比較しにくいため、求人を見る際は手当の種類と支給条件まで確認しておきましょう。

資格手当

資格手当は、介護福祉士や実務者研修など、勤務先が定めた資格を持つ職員に支給される手当です。

支給対象となる資格や金額は事業所ごとに決められており、介護福祉士だけを対象にしている職場もあれば、初任者研修や実務者研修にも手当を設定している職場があります。

社会福祉振興・試験センターが実施した令和2年度の介護福祉士就労状況調査では、介護福祉士の資格手当を支給している勤務先は62.9%、平均額は月9,055円でした(※1)。

金額では「1万円以上2万円未満」が34.3%と最も多く、「5,000円以上1万円未満」が31.7%で続きます。2万円以上の資格手当を受け取っている人もいます。

資格手当は法律で支給が義務付けられているものではありません。同じ介護福祉士の資格を持っていても、勤務先によって毎月の給与に差が出る部分です。

(※1 2026年8月時点 社会福祉振興・試験センター 社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査(令和2年度)結果報告書)

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夜勤手当

夜勤手当は、夜勤シフトに入った職員へ勤務先が支給する手当です。

金額は事業所ごとに異なり、「夜勤1回につき○円」と決められている職場が多く見られます。

たとえば夜勤手当が1回6,000円の職場で月5回夜勤に入れば、夜勤手当だけで月3万円の上乗せです。夜勤回数が多い職場では、毎月の収入に占める割合も大きくなります。

夜勤手当とあわせて確認したいのが、深夜割増賃金です。

労働基準法では、原則として22時から翌5時までの深夜労働に対し、通常の賃金の25%以上を割増して支払う必要があります(※1)。

勤務先によっては、夜勤手当のなかに法定の深夜割増分を含めて支給している場合もあります。ただし、夜勤手当に含まれる深夜割増相当額が法定額を下回る場合は、差額の支払いが必要です。

「夜勤手当○円」に加えて深夜割増が別途支給されるとは限らないため、求人票や賃金規程で内訳を確認してください。

(※1 2026年8月時点 厚生労働省 確かめよう労働条件「時間外・休日労働と割増賃金」)

処遇改善手当

処遇改善手当は、国の介護報酬に上乗せされる「介護職員等処遇改善加算」を原資として、職員の賃金改善に充てるものです。

以前は「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」「介護職員等ベースアップ等支援加算」の3制度に分かれていましたが、2024年6月から介護職員等処遇改善加算に一本化されました(※1)。

加算による賃金改善の方法は、毎月の手当だけではありません。

基本給を引き上げる職場、一時金として支給する職場などがあり、給与明細に必ず「処遇改善手当」という名称で記載されるとは限りません。

職員への配分方法にも一定の裁量が認められています。そのため、同じサービス種別や加算区分の事業所で働いていても、一人ひとりが同額を受け取る仕組みではありません。

2026年度は制度がさらに拡充され、対象職種や加算区分にも変更が加えられています。

(※1 2026年8月時点 厚生労働省 介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分))

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そのほかの手当(住宅・通勤・役職など)

資格・夜勤・処遇改善以外にも、勤務先によってさまざまな手当があります。

代表的なものは次のとおりです。

  • 住宅手当:家賃など住居費の一部を補助
  • 通勤手当:電車・バス・自家用車などの通勤費を補助
  • 役職手当:リーダーや主任などの役職者に支給
  • 扶養手当:配偶者や子どもなど扶養家族がいる職員に支給
  • 特殊業務手当:勤務先が定める特定の業務を担当した職員に支給

資格を持っていなくても対象になる手当もあります。

特に住宅手当や扶養手当は、支給の有無だけで毎月の固定収入が変わります。役職手当も、リーダーや主任などへキャリアアップした際の収入に関わる部分です。

求人を比較するときは「基本給+資格手当」だけを見るのではなく、自分が支給条件を満たす手当をすべて確認してみてください。

手当を含めると介護士の給料はどのくらい変わる?

介護士の手当は、組み合わせによって毎月の総支給額に数万円の差を生みます。

たとえば、基本給22万円の介護福祉士について、次の条件で考えてみます。

  • 資格手当:月10,000円
  • 夜勤手当:1回6,000円×月4回
  • 処遇改善手当:月15,000円

この場合、手当だけで月49,000円です。基本給22万円に加えると、総支給額は26万9,000円になります。

一方、同じ基本給22万円でも資格手当がなく、夜勤に入らなければ、上乗せされる金額は34,000円下がります。

月34,000円の差でも、12か月では40万8,000円です。

基本給だけを比べるとほとんど差がない求人でも、資格手当・夜勤手当・住宅手当などを含めると年収が大きく変わる場合があります。

ただし、夜勤手当は夜勤に入った回数によって変動し、住宅手当なども支給条件があります。「求人票に記載されている手当をすべて受け取れる」とは限りません。

転職時は、基本給だけでなく、自分の勤務条件で毎月いくら受け取れるのかを計算して比較すると実際の収入が見えやすくなります。

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【2026年最新】介護士の処遇改善手当はどう変わった?

2026年度は、令和9年度の介護報酬改定を待たずに期中改定が行われ、6月から介護職員等処遇改善加算が拡充されました。

主な変更点は次のとおりです。

  • 介護職員だけでなく、介護従事者へ処遇改善の対象を拡大
  • 生産性向上や協働化に取り組む事業者向けの上乗せ区分を新設
  • 訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅介護支援などにも処遇改善加算を新設
  • 従来から処遇改善加算の対象だったサービスでは、加算Ⅰ・Ⅱに「イ」「ロ」が設けられ、Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳの6区分に変更

従来の制度をそのまま継続しただけではなく、対象者と加算の仕組みそのものが広がっています。

2026年6月の介護報酬改定のポイント

令和8年度の介護報酬改定は、通常の令和9年度改定を待たずに実施された期中改定です。

改定率は+2.03%で、内訳は処遇改善分+1.95%、食費の基準費用額引き上げ分+0.09%とされています(※1)。

処遇改善では、介護職員だけでなく介護従事者を対象に、幅広く月1万円・3.3%の賃上げを実現する措置が盛り込まれました。

さらに、生産性向上や協働化に取り組む事業者の介護職員には、月7,000円・2.4%の上乗せ措置が設けられています。

厚生労働省は、定期昇給の月2,000円分を含め、介護職員について最大月1万9,000円・6.3%の賃上げが実現する措置と説明しています。

ただし、「すべての介護士の給与が2026年6月から一律1万9,000円増える」という意味ではありません。

勤務先が算定する加算区分や要件、実際の賃金改善方法によって、個人の給与への反映額は変わります。

従来から処遇改善加算の対象だったサービスでは、加算Ⅰ・Ⅱにそれぞれ「イ」「ロ」が設けられました。このうちⅠロ・Ⅱロは、生産性向上や協働化に関する令和8年度特例要件を満たす事業所が算定でき、Ⅰイ・Ⅱイより高い加算率が設定されています。

サービスごとの加算率も引き上げられており、たとえば介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設・短期入所生活介護では、Ⅰロの加算率が17.6%となっています。

(※1 2026年8月時点 厚生労働省 令和8年度介護報酬改定について)

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手当額の目安とパート・非常勤への適用

処遇改善加算による賃金改善は、正社員だけに限定されたものではありません。

2026年度の改定では、加算による処遇改善の対象が「介護職員」から「介護従事者」へ拡大されました。パート・非常勤も賃金改善の対象になり得ますが、実際の配分対象や金額は事業所の賃金改善計画によって異なります(※1)。

ただし、実際の賃金改善方法や職員ごとの配分は事業所によって異なります。

毎月の「処遇改善手当」として支給される場合もあれば、基本給の引き上げや一時金など別の形で反映されることもあります。

「最大月1万9,000円」という数字も、全員が同額を受け取れる金額ではありません。

自分の給与へどのように反映されているか知りたい場合は、給与明細だけで判断せず、勤務先の賃金規程や処遇改善加算の説明を確認する必要があります。

(※1 2026年8月時点 厚生労働省 介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分))

「介護福祉士は月8万円もらえる」は本当?

「介護福祉士になると月8万円もらえる」という情報は、現在の制度を正確に表したものではありません。

背景にあるのは、2019年に創設された「介護職員等特定処遇改善加算」です。

当時の制度では、「経験・技能のある介護職員」のグループに、月額平均8万円以上の賃金改善となる人、または賃金改善後の年収が440万円以上となる人を設定する仕組みが設けられました。「経験・技能のある介護職員」は、勤続10年以上の介護福祉士を基本としつつ、事業所の裁量で設定できる仕組みでした(※1)。

介護福祉士全員へ毎月8万円を支給する制度ではありません。

「勤続10年以上の介護福祉士なら必ず8万円もらえる」という意味でもなく、経験・技能のある介護職員の設定や具体的な配分には事業所側の裁量も認められていました。

介護職員等特定処遇改善加算は、2024年6月に現在の介護職員等処遇改善加算へ統合されています。

現在も年収440万円に関する基準は残っており、2026年度の処遇改善加算Ⅰ・Ⅱでは、キャリアパス要件のひとつとして、原則「経験・技能のある介護職員のうち1人以上の改善後の賃金見込額を年額440万円以上とすること」が求められています(※2)。

「介護福祉士なのに8万円もらえていない」と考えるのではなく、現在の加算制度と勤務先の配分方法を分けて確認する必要があります。

(※1 2026年8月時点 厚生労働省 介護職員等特定処遇改善加算に関するQ&A/※2 2026年8月時点 厚生労働省 令和8年度介護報酬改定について)

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手当が充実した職場を見極めるポイント

同じ「処遇改善手当あり」「資格手当あり」という求人でも、実際に受け取れる金額は職場によって異なります。

見るべきなのは、手当があるかどうかだけではありません。

支給額、対象者、支給条件まで確認すると、入職後の給与を具体的にイメージしやすくなります。

求人票・面接で確認すべき項目

求人票では、基本給と各種手当を分けて確認しましょう。

特に見ておきたいのは次の項目です。

  • 資格手当の対象資格と月額
  • 夜勤手当の1回あたりの金額
  • 夜勤手当に深夜割増分が含まれているか
  • 処遇改善による賃金改善の支給方法
  • 住宅手当や扶養手当の支給条件
  • 試用期間中も同じ手当が支給されるか

たとえば「月給25万円」と書かれていても、25万円のなかに夜勤4回分の手当が含まれている求人と、基本給・固定手当だけで25万円の求人では条件が違います。

「処遇改善あり」という記載だけでも、毎月固定額が支給されるのか、基本給へ反映されているのか、一時金として支給されるのかまでは分かりません。

求人票だけで判断できない部分は、面接時に確認しておくほうが確実です。

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資格取得と転職、どちらが手当アップに近いか

介護士が手当を増やす方法は、大きく「資格を取得する」「待遇の良い職場へ転職する」の2つです。

現在の勤務先に資格手当があり、取得後に毎月の給与が上がるのであれば、実務者研修や介護福祉士を目指す方法があります。

資格は転職後も活かせるため、長期的な収入アップを考えるなら有力な選択肢です。

一方、資格を取得しても手当がほとんど増えない職場もあります。

同じ介護福祉士でも資格手当や夜勤手当、処遇改善の配分方法は勤務先ごとに異なるため、職場を変えるだけで給与条件が上がる場合もあります。

まず確認したいのは、「今の資格でほかの職場ならいくら受け取れるのか」です。

現在の給与明細と複数の求人を比べれば、資格取得を優先するべきか、転職したほうが収入アップが早いのか判断しやすくなります。

介護士の手当に関するよくある質問

資格手当がない施設もある?

あります。

資格手当は法律で支給が義務付けられているものではなく、支給するかどうかや金額は勤務先が決めます。

介護福祉士の資格を持っていても、資格手当がない職場で働くケースはあります。

ただし、資格手当がないから必ず待遇が悪いとは限りません。

基本給そのものが高い場合や、処遇改善による賃金改善、住宅手当など別の部分が充実している職場もあります。

求人を比較するときは、資格手当だけではなく総支給額と支給条件を確認しましょう。

パートでも処遇改善手当はもらえる?

パート・非常勤という雇用形態だけを理由に、一律で処遇改善の対象外になる制度ではありません。

2026年度は処遇改善加算の対象が介護職員から介護従事者へ拡大されています(※1)。

一方、具体的な賃金改善の方法や金額は事業所によって異なります。

正社員とパートで同額になるとは限らないため、自分が対象になるか、どのような形で給与に反映されるかは勤務先へ確認してください。

(※1 2026年8月時点 厚生労働省 令和8年度介護報酬改定について)

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資格手当と処遇改善手当は両方もらえる?

資格手当と処遇改善による賃金改善は、仕組みが異なります。

資格手当は勤務先が独自に定める賃金制度です。処遇改善は、介護報酬の介護職員等処遇改善加算を原資として行われます。

勤務先の給与制度で資格手当が設定され、処遇改善加算による賃金改善の対象にもなっていれば、両方が給与に反映される場合があります。

ただし、処遇改善分を基本給などに組み込んでいる職場では、「資格手当」「処遇改善手当」という2項目が給与明細に並ぶとは限りません。

手当は毎月の給料に含まれる?

手当の種類によって異なります。

資格手当や役職手当のように毎月固定で支給されるものもあれば、夜勤手当のように勤務実績によって金額が変わるものもあります。

処遇改善加算による賃金改善も、毎月の手当、基本給の引き上げ、一時金など、勤務先によって反映方法が異なります。

毎月の給与額を比較したい場合は、求人票に記載された「月給」だけではなく、何が固定で、何が勤務実績によって変動するのか確認しておきましょう。

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手当が少ない場合、転職で改善できる?

転職によって手当や総支給額が増える可能性はあります。

資格手当や夜勤手当、住宅手当などは事業所ごとに金額が異なり、処遇改善加算による賃金改善の方法も一律ではありません。

同じ資格と経験年数でも、勤務先が変われば給与条件が変わることがあります。

今の職場の待遇が低いのか分からない場合は、現在の基本給と手当を書き出し、同じ地域・職種の求人と比較してみてください。

給与条件だけでなく、夜勤回数や年間休日、通勤時間まで含めて比べると、転職によって本当に条件が良くなるのか判断しやすくなります。

自分だけで比較するのが難しい場合は、介護職に詳しい転職サービスへ相談し、手当を含めた条件を確認する方法もあります。

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介護士の手当は基本給だけでなく支給条件まで確認しよう

介護士の給与には、資格手当や夜勤手当、処遇改善による賃金改善、住宅手当、役職手当などが加わります。

同じ基本給でも、どの手当が支給されるかによって毎月の総支給額は変わります。資格手当や夜勤手当だけで月数万円の差が出ることもあるため、求人を比較するときは基本給だけで判断しないことが大切です。

2026年6月には介護報酬の期中改定が行われ、介護職員等処遇改善加算も拡充されました。ただし、処遇改善による賃上げ額は全員一律ではありません。勤務先が算定する加算区分や賃金改善の方法によって、実際に給与へ反映される金額は異なります。

現在の手当が少ないと感じている場合は、まず給与明細や賃金規程を確認し、自分が受け取っている手当と金額を整理してみましょう。

そのうえで、資格取得によって収入を上げられるのか、手当の充実した職場へ転職したほうが条件が良くなるのかを比較すると、次の選択肢を判断しやすくなります。

求人を見る際は、資格手当や夜勤手当の金額だけでなく、処遇改善の反映方法や住宅手当などの支給条件まで確認し、実際に受け取れる総支給額で比較してみてください。

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この記事の著者

ほっ介護編集部

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