介護士がストレスを感じる原因とは?ストレスチェックや解消法も紹介
介護士として働く中で、日々の業務にストレスを感じている人もいるでしょう。ストレスを溜めすぎた結果、心身ともに疲弊してしまう可能性もあるため、早めの対処が欠かせません。
この記事では、介護士が直面する主なストレスの原因や、現在の心の状態を把握するためのストレスチェックの活用法を解説します。さらに、自分を大切にするためのストレス解消法も紹介していきます。
職場でのストレスが大きい場合は、転職を検討するのも一つの方法です。ほっ介護転職サポートでは、人間関係や働きやすさ、スタッフの定着率まで確認したうえで紹介求人を厳選しています。そのため、自分に合った職場を選びやすく、ストレスの少ない転職先探しが叶います。
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ストレスを感じている介護士は多い

公的財団法人 介護労働安定センターの調べによると、85.8%の介護士が職場や業務にストレスや不安、悩みを抱えています(※)。
ストレスを感じている内容として、以下のものが挙げられます(複数回答)。
| ストレスを感じる内容 | 割合 |
| 従業員が不足している | 91.0% |
| 業務内容のわりに賃金が低い | 89.4% |
| 認知症の入居者への対応が難しい | 83.9% |
| 入居者に適切なケアができているか不安 | 83.5% |
| 深夜勤務時に何か起こるのではないかと不安 | 81.9% |
| 休憩時間がとりづらい | 79.2% |
| 「何をやってもらっても当然」と思う入居者がいる | 78.2% |
| 入居者がいつ問題行動を起こすのかと不安 | 78.1% |
| 業務の身体的負担が大きい | 77.4% |
| 仕事上の意思疎通・連携が円滑にとれない | 75.9% |
※出典:公的財団法人 介護労働安定センター「介護労働者のストレスに関する調査 結果報告書」
調査結果によると、非正規職員よりも正職員の方が、ストレスを溜めやすいとされています。拘束時間が長いことや、責任の重さなどが関係していると考えられるでしょう。
また、性別によってもストレスを感じる原因が異なる傾向があります。女性は利用者との関係にストレスを感じている人が多い一方、男性は同僚との関係や仕事以外の生活にストレスを感じている人が多いです。
※出典:公的財団法人 介護労働安定センター「介護労働者のストレスに関する調査 結果報告書
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介護士がストレスを感じる原因

介護士がストレスを感じやすい原因として、主に次の6つが挙げられます。
- 職場スタッフとの関係
- 利用者やその家族との関係
- 身体的な負担
- 慢性的な人手不足の常態化
- 業務量に対する給与の不均衡
- 休暇が取りづらい職場環境
多くの介護士が直面しているストレスや悩みについて確認していきましょう。
職場スタッフとの関係
介護士は職場のスタッフとの人間関係に悩むことが多いです。
介護方法は正解が一つではないため、スタッフ間で対応方法や考え方が異なるケースも少なくありません。そうした価値観の相違がストレスにつながることもあります。
また、介護現場は忙しいことが多く、申し送り以外の情報を共有したり、相談する時間が確保できなかったりするケースもあります。その結果、小さな誤解や行き違いが生じて、大きなトラブルに発展することもあるでしょう。
さらに夜勤など少人数での対応になる場合は、相性の良くない相手とでも長時間ペアを組まなければならず、精神的な負担が大きくなりやすいです。
利用者やその家族との関係
利用者やその家族との関係は、介護士にとってストレスの原因の一つです。
介護士は、利用者本人の気持ちや家族の要望を受け止めながら対応する場面が多く、精神的な負担を抱えやすいためです。
例えば、利用者の中には暴言を吐いたり、暴力的な行動を取ったりする人もいます。こうした対応が続くと、精神的に消耗しやすくなります。
また、家族から「リハビリの回数を増やしてほしい」「在宅介護と同じように対応してほしい」といった要望を受けることもあるでしょう。しかし、現場で対応できる範囲には限りがあるため、要望に応えきれずクレームに発展するケースも考えられます。
このように、利用者本人や家族への対応で気を張る状態が続くと、ストレスが蓄積しやすくなります。
身体的な負担
介護の仕事は身体に負担がかかりやすいことも、ストレスが溜まる理由の一つです。介護現場では、無理な姿勢での介助や不規則なシフト勤務が続きやすく、身体への負担が蓄積しやすいためです。
例えば、中腰や前かがみでの移乗介助により、腰に負担を感じている介護士も少なくありません。また、夜勤を含むシフト勤務により睡眠不足になりやすい傾向もあります。
介助による腰痛や睡眠不足による疲労の蓄積が、身体全体の不調やストレスにつながります。
慢性的な人手不足の常態化
慢性的な人手不足の現場では、介護士がストレスを感じやすいです。タスク過多の状態が慢性化していると、常に時間に追い詰められることになり、心身ともに余裕のない状況になりがちです。
より利用者に寄り添った介助を行いたくても、人手が不足しているために時間的な余裕がなく、納得のできない介助で終わってしまうことがあります。
また、複数の利用者が同時に介助が必要になった場合、誰を・なにを優先すべきか、常に選択を迫られる緊張感に精神を消耗しがちです。
人手不足の現場では、休憩時間が短縮されたり毎日のように残業になったりすることが多いです。心身の回復が追いつかないことが、さらにストレスが溜まる原因になることもあります。
業務量に対する給与の不均衡
業務量や責任の重さに対して、給与が見合っていないと感じることもストレスの原因の一つです。
介護職は、身体介助だけでなく、安全管理や家族対応なども担うため、身体的にも精神的にも負担がかかりやすい仕事です。その一方で、業務量や責任の大きさに対して、待遇に物足りなさを感じる人もいます。
例えば、入浴や食事の介助に加えて、利用者の体調変化への対応や家族との調整まで求められる場合があります。こうした負担が続く中で、給与とのバランスに不満を感じることもあるでしょう。
業務量や責任に対して給与が見合わないと感じる状態が続くと、仕事への不満が蓄積し、ストレスにつながりやすくなります。
休暇が取りづらい職場環境
休暇が取りづらい職場環境は、介護士にとってストレスの原因になりやすいです。
十分に休みを取れないと、心身を回復させる時間や気持ちを切り替える時間を確保しにくくなり、疲労が蓄積しやすくなるためです。
例えば、人手不足の職場では「自分が休むことでほかのスタッフの負担が増える」と考え、休暇を申請しにくくなることがあります。また、周囲があまり休暇を取らない職場では、「自分だけ休むのは申し訳ない」と感じる人もいるでしょう。
休みたいときに休めない状態が続くと、私生活との両立が難しくなり、疲労やストレスが溜まりやすくなります。
ストレスフルな介護士は「燃え尽き症候群」に注意

ストレスが溜まった介護士は、「燃え尽き症候群」になりやすいため注意が必要です。燃え尽き症候群とは、これまで意欲的に仕事に没頭していた人が、極度の心身の疲労により、突然意欲を喪失してしまう状態のことです。
燃え尽き症候群になると、心身にさまざまな影響が現れます。具体的には以下のような症状が出るケースが多いです。
| 身体的な影響 | 精神的な影響 |
| ・不眠
・頭痛 ・食欲低下 ・胃腸の不調 ・倦怠感 ・飲酒量の増加 |
・業務に対するモチベーションの低下
・好きなことや興味のあることに無関心になる ・自信喪失 ・強い疲弊感がある ・怒りっぽくなる ・業務外でも仕事のことが頭から離れない ・他人との関りが疲れる |
正義感や責任感が強い人は、こういった症状が出ても「まだがんばれる」と判断してしまいがちです。その結果として状況が深刻化することがあるため、適度なセルフケアが必要です。
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介護士がストレスを感じたときの対処法

介護士がストレスを感じたときには、早めに対策を講じることが大切です。主な対処として、以下が挙げられます。
- ストレスの原因を明らかにする
- 相手の価値観を受け入れる
- 生活リズムを整える
- 十分な睡眠をとる
- 適度に休息する
- ほかの人に悩みを相談する
- 家族や友人との時間を作る
- 趣味を楽しむ
ストレスの原因を明らかにする
自分が現在、何にストレスを感じているのか原因を突き止めましょう。原因がわからないままだと、適切な対処法が施せないためです。
ストレスの原因を把握するには、不安や不満を紙やスマホのメモ機能で書き出してみるのがおすすめです。漠然とした不安や不満も言語化し、文字として可視化することで気持ちや状況が整理しやすくなります。
書き出す際には、「いつ」「何に対して」「どう感じたか」まで詳しく記載しておくと良いでしょう。都度記録を取ることで、ストレスを抱えやすいタイミングや感じやすい相手などが明確になることがあります。
ストレスの原因が整理できると、対処法も考えやすくなります。職場での改善が可能な原因があれば、リーダーや施設長に相談するのも一つの方法です。
相手の価値観を受け入れる
ほかの人の考えを「そういう考え方もあるのか」と受け止めることは、対人関係のストレスを感じにくくするうえで大切です。
相手を変えようとしたり、自分と同じ考え方を求めたりしても、思い通りにならないことは少なくありません。考え方の違いにぶつかるたびに「なぜ分かってくれないのか」と受け止めていると、気持ちが消耗しやすくなります。
例えば、利用者やその家族、職場スタッフの言動に対して、自分の常識と違うと感じる場面もあるでしょう。そうしたときに「間違っている」と捉えるのではなく、「自分とは違う考え方なのかもしれない」と受け止めることで、必要以上に感情を揺さぶられにくくなります。
人によって正論は異なるため、「人は人、自分は自分」と認識していれば衝突を避けられ、結果としてストレスに感じることも減るでしょう。
生活リズムを整える
生活リズムを整えることは、ストレスをため込みにくくするために大切です。睡眠不足や食生活の乱れが続くと、心身の疲れが回復しにくくなり、ストレスを感じやすくなるためです。
例えば睡眠不足は健康被害の増大や集中力の低下といった悪影響があります。このような状態で介助を続けると心身に負担がかかるうえ、利用者に対し適切な対応ができず、不全感からますますストレスが増える可能性があります。
栄養バランスの取れた食事も、生活リズムを整えるうえで重要です。ストレスから暴飲暴食をしがちですが、栄養バランスの取れた食事を摂るよう心がけましょう。
心身の疲れが解消すると、ストレスが自然と軽減することもあります。
適度に休息する
適度に休息を取ることは、ストレスをため込みにくくするために大切です。休めない状態が続くと、心身の疲れが回復せず、負担感やイライラが強まりやすいためです。
適度な休息は、ストレスを軽減するだけでなく、集中力を維持するためにも必要です。集中力が切れると思わぬミスを招き、かえって業務を増やしてしまうこともあるでしょう。
忙しい現場では休憩を後回しにしがちですが、短時間でも意識して休むことで気持ちを切り替えやすくなります。
休息を取ることは、決して怠けているわけではありません。「休むことも仕事のうち」と捉えて、適度な休息を取るよう心がけましょう。
ほかの人に悩みを相談する
職場のストレスや悩みは一人で抱え込まず、ほかの人に悩みを相談してみるのも良いでしょう。悩みを言葉にして共有することで、自分の気持ちを整理しやすくなり、心理的な負担を軽くしやすくなるためです。
例えば、同僚に話すことで「自分だけではない」と感じられたり、友人や家族から自分では気づけなかった視点のアドバイスをもらえたりすることがあります。
また、相談できる相手がいれば、苦しいときにも助けを求めやすくなり、ストレスをため込みにくくなります。
家族や友人との時間を作る
家族や友人と一緒の時間を過ごし、本来の自分でいられる時間を持つことはストレスを軽減するうえで大切です。仕事から少し離れて気持ちを切り替える時間があると、緊張や精神的負担を和らげやすいためです。
介護の現場では、常に介護士としてのプロ意識を持ち、安全にそして誠意を持って対応することが求められます。しかし、長時間にわたり緊張状態が続くと、精神が消耗しストレスが溜まりやすくなります。
家族や友人の前では介護のプロである必要はなく、本来の自分のままで気楽に過ごせるでしょう。
仕事以外の安心できる時間を確保することで、ストレスをため込みにくくなります。
趣味を楽しむ
趣味を楽しむことは、ストレスを軽減するうえで大切です。仕事以外で自分の好きなことに集中する時間があると、気持ちを切り替えやすくなるためです。
また、趣味の時間は自分の意思で過ごし方を決められるため、仕事とは違う感覚で過ごしやすいです。介護の仕事では、利用者や周囲に合わせて動く場面が多いため、自分のために時間を使うことが心の余裕にもつながるでしょう。
例えば、「今度の休暇はガーデニングをしよう」「家族とショッピングに行こう」といった楽しみな予定があると、気持ちを前向きに保ちやすくなるでしょう。
このように、趣味を通じて仕事から意識を切り離す時間を持つことで、ストレスをため込みにくくなります。
ストレスチェックを活用するのもおすすめ

自分のストレスがどれくらい溜まっているか分からない人は、厚生労働省の「ストレスチェック」を受けるのがおすすめです。ストレスチェックとは、心身の状態やストレスの原因となっている要素を整理し、自分の置かれている状況を把握するための簡易的なチェックです。
ストレスチェックは、以下の4つのステップで構成されています。
- 仕事について
- 最近1か月の状態について
- 周りの方々について
- 満足度について
質問は全部で57問あり、いずれも簡単な選択問題です。所要時間は約5分で、終了すると結果がすぐに表示されます。ストレスの原因や心身の反応などがひと目でわかるため、自分の状態を客観的に把握できるでしょう。
ストレスチェックは一般的に企業で実施するものですが、自分でも無料かつ簡単に実施できます。気になる人は一度チェックしてみましょう。
※出典:厚生労働省「「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」を公表します」
ストレスを上手にコントロールして介護士として活躍し続けよう

介護士の業務では、人間関係や身体的な負担など、さまざまなストレスを感じることがあります。
「休むのは甘え」「まだがんばれる」と無理に仕事を続けると、いつの間にか限界に達し、燃え尽き症候群になってしまう可能性があります。
ストレスを感じたときには、記事中で解説したような対処法を試したうえで、自分に合ったストレス解消法で上手にコントロールしましょう。職場がストレス源となっている場合は、転職を検討するのも手です。
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